IPCC(気候変動に関する政府間パネル)

2007年に行われたノーベル平和賞は、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)と｢不都合な真実｣など長年の環境活動で有名なアメリカ前副大統領アル・ゴア氏に授与されました。
これは、地球温暖化によって資源の奪い合いや貧困の広がりなどを招きく恐れがあり、国際紛争へつながる懸念があるため、地球温暖化の対策が平和維持にかかせないからです。

IPCCとは、地球温暖化に関する政府間レベルの検討の場のことです。1998年に設立されました。
世界の科学者が温室効果ガスや温度上昇の測定を行い、科学的知見を出しています。
2007年11月に、第4次評価報告書統合報告書が発表されました。
1990年からこれまでの4回報告書を発表したことになります。

報告書の内容は下記の通りです。

気候システムの温暖化は疑う余地がありません。
地域的な気候変化で、自然生態系が数多くの影響を受けています。
温室効果ガスの濃度は、産業革命以前の水準に比べて大きく超えています。
20世紀半ば以降の地球の平均気温上昇のほとんどが、人為起源の温室効果ガスの増加によるものと推測されます。
現在の状況を継続したままでは、温室効果ガス排出量は2、30年増加を続け、21世紀中には20世紀よりも大規模な温暖化がもたらされることが心配されます。
今後の20〜30年間の対策と投資が温室効果ガス濃度の安定化に大きな影響を与えます。
たとえ、温室効果ガスの濃度が安定化したとしても、数世紀に渡り人為起源の温室効果ガスや海面水位上昇が続きます。

本結果からも分かるとおり、地球温暖化防止の対策を早急に行わねば、我々の子孫の生活に大きな影響を及ぼす事態に直面していると言えます。